対馬の自然と文化拠点半井桃水館
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樋口一葉関連著書

桃水とかかわりのある作品例「雪の日」」

1892(明治25)年2月4日、小説を書き始めたばかりの一葉は、雪の中、桃水のもとを訪ねました。桃水は新聞小説を連載しており、その指導を受けるのが表向きの理由でした。

桃水は長身で美男子、物腰も柔らかく、一葉は10ヶ月前に初めて出会った日から強く惹かれていました。降り続く雪のなか、桃水と一葉は新しく出す同人誌「武蔵野」について語り合いました。一葉は持参した「闇桜」を桃水に見てもらい、これがデビュー作として「武蔵野」に掲載されることになります。話し合いが一息つくと、桃水はお汁粉を作ると言い、隣家に鍋を借りに行きました。隣家の若いおかみさんが「先生、お楽しみですね」と冷やかすのが聞こえてきます。

夕暮れになり、桃水は「雪だから泊まっていきなさい」と言い、勘違いした一葉は激しく動揺します。桃水は笑いながら、「自分は近くの友人の家に泊まるから」と付け加えました。一葉は人力車を呼んでもらい、帰途につきました。夕暮れに沈む町を見ながら、胸にはさまざまな感情があふれてくるのでした。このとき桃水は31歳、一葉は19歳。火鉢に向かいあって、語り、お汁粉を食べたこの「雪の日」は、貧しさと苦悩に彩られた一葉の人生において大きな喜びとなった一方、桃水との決別後は深い悲しみと悔いをもたらす想い出として胸に刻まれたのでした。 (この事柄をモデルとして本館では毎年2月に開催される桃水祭りでお汁粉をお作りしております)

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